診療科のご案内

　呼吸器外科では肺癌や縦隔腫瘍を中心とした胸部の腫瘍性疾患の他に、気胸などの嚢胞性肺疾患、膿胸などの感染性疾患、手掌多汗症そして外傷などを対象とした胸部の外科手術に対応しております。これらの外科治療の他、どうしても原因が分からないあるいは治らない気胸や胸水などでお困りの患者さんがおられましたら是非ご相談下さい。
　当院呼吸器外科は2016年（平成28年）に新規の診療科として開設されました。人口の高齢化も相まって当科に対するニーズは年々高まっており、受診される患者さんの数は増えております。
　肺癌の治療においては上皮成長因子受容体（EGFR）や未分化リンパ腫キナーゼ（ALK）などの遺伝子変異の有無を確認し、変異分子に対する分子標的治療が行われています。また、血管内皮成長因子（VEGF）抗体や血管内皮成長因子受容体（VEGFR）抗体などの血管新生阻害剤や免疫チェックポイント阻害剤（PD-1抗体やPD-L1抗体）なども保険適応となっており、肺癌は固形癌のなかで最も薬物治療が進んだ疾患の1つであり、個別化治療が求められる分野であります。呼吸器外科では肺癌などの胸部悪性腫瘍の治療に関しては手術のみならず、これらの薬物治療にも対応しております。また、会津地域の他施設あるいは福島市の大学病院などとも連携して胸部悪性腫瘍に対する集学的治療を行っております。更に、悪性腫瘍の患者さんへの対応として当院の患者支援センターや緩和ケア科とも連携をはかり、患者さんとご家族のご希望に叶う生活を支援しております。