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感染症・呼吸器内科学講座 医学コラム

会津嶺(新妻 一直)

 当診療科は、感染症全般、特に会津医療圏内の結核を含めた2種感染症やHIV・AIDSの診療と、地域における医療施設や行政などとの情報の共有化・スキルアップを計っているのが最大の特色です。また、びまん性肺疾患、間質性肺炎などの画像上苦慮する呼吸器疾患の確定診断をし、早期治療に繋げることも当科の特徴です。同様に、気管支喘息、COPDに対しても患者様のQOLの向上を図り、地域の中心的な役割を果たしています。

Q:咳がなかなか止まらない
 1. 咳がどうしてでてくるの?
 2. 何が考えられるの?
 3.どのように対応したらよいのでしょう?

A:咳は生体に対して、体外から気道内に異物が入り込むのを防ぐことや気道で分泌されたものを喀出し、気道の清浄化をはかる働きがあります。ただ、過剰なせきは肺の安定を保てず有害となります。
咳は刺激性ガス、冷たい空気や辛子などによる刺激や肺、胸膜、心臓、横隔膜などに分布する迷走神経による刺激でも起こります。
咳の持続する日数によって、2週以内を急性咳嗽、8週以上を慢性咳嗽に分けられます。また、喀痰の有無によって、喀痰を伴わない咳を乾性咳嗽、伴う咳を湿性咳嗽に分けられ、病因や病態を理解するのに役に立ちます。
急性の咳は、ウイルスや細菌感染による呼吸器感染症の場合が多いのですが、持続時間が長くなればなるほど原因に感染症が占める割合が少なくなってきます。慢性の咳では感染症以外の疾患が原因、特に重大な肺癌や肺・気管支結核などが隠れている場合があります。胸部X線写真で明らかに異常所見がなければ、後鼻漏、気管支喘息、逆流性食道炎、薬剤、喫煙、感染後咳嗽などが原因として考えられます。
なかには呼吸器に誘因となる疾患がなくても起こる心因性の咳もあります。
いずれにしても咳が2週間以上持続し止まらない場合には、まず医療機関を受診しましょう。また、治療中であっても咳が持続するなら胸部X線検査を受けられるよう心がけましょう。

咳でお困りの方は、当科をお気軽に受診されて下さい。

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