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小腸・大腸・肛門科学講座 医学コラム

会津嶺(冨樫 一智)

 当診療科の特徴は、小腸から肛門までの消化管疾患に対して、内科的だけでなく外科的にアプローチし、包括的に診断治療を行うことです。昨年4月に、昭和大学横浜北部病院より腹腔鏡手術の超専門医が赴任し、外科領域が充実しました。診療では、ハイビジョン型拡大内視鏡・ダブルバルーン内視鏡・カプセル内視鏡・内痔核を切らずに治す注射療法(ALTA)を導入しています。

Q:検診で便潜血反応陽性でした。精密検査として大腸内視鏡検査(カメラ)を勧められましたが、内視鏡検査は苦しいと聞いています。本当に必要なのでしょうか?

A:便潜血反応陽性者の5〜10%で、大腸がんが発見され、前がん状態といえる大腸ポリープは、さらに高率(30%以上)に発見されます。大腸内視鏡検査は、現在、最も精度が高い方法です。最近の内視鏡機器および操作技術の進歩は著しく、今では、快適に受診することができます。その場でポリープを切除できますので、大腸内視鏡検査を強くお勧めします。これまでの検査において、盲腸に到達できなかった方には、ダブルバルーン内視鏡や極細径内視鏡(最大径6.8ミリ)を用意しています。

Q:大腸ポリープは切除する必要があるのでしょうか?

A:癌化する可能性があるので、切除するのが原則です。しかし、すべてのポリープが癌化するわけではありません。どのようなポリープが癌化しやすいかについては、これまでの研究から判明しています。たとえば、直腸やS状結腸に発生する「小さな過成性ポリープ」は、癌化する危険性がないので切除しません。
逆に、「1センチ以上のポリープ」や「陥凹型ポリープ」では、癌化の危険性が高い、または、すでに癌化しているため、切除が必要になります。当料では、ポリープ切除の判断に適したハイビジョン型拡大内視鏡機器を使用しています。

Q:腹腔鏡下大腸切除術や内視鏡的粘膜下層剥離術は行っていますか?

A:腹腔鏡下大腸切除術は、昭和大学横浜北部病院出身の遠藤俊吾准教授が中心となり、原則的に、手術の全例で行っています。大腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、自治医大で術者として行った百二十例あまりの経験に基づいて、私が行っています。

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