会津嶺(入澤 篤志)
今回は、消化器疾患のなかでも今ひとつ馴染みのない「すい臓病」について、Q&A方式でご理解頂きたいと思います。
Q:「すい臓」はどのような働きをする臓器ですか?
A:「食べ物を消化する」「血糖を調節する」この二つが最も重要な役割です。タンパク質・脂肪・炭水化物を消化する酵素を含む「すい液」を十二指腸に分泌します。また、血糖を調節するホルモンを血液中に分泌します。
Q:「急性すい炎」とはどのような病気ですか?
A:すい臓が一気に壊れる(溶ける)病気で、重症化すると命に関わります。原因のほとんどは過度の飲酒です。胆石が原因になることもあります。
Q:「慢性すい炎」とはどのような病気ですか?
A:すい臓が長年にわたって壊れ続けて、硬くなっていく病気です(すい硬変ともいいます)。ひどくなるとすい臓の働きが極端に低下し、栄養失調や糖尿病になることもあります。また、すい臓ガンの危険因子とされています。長期にわたる多量の飲酒(日本酒換算で一日三合、十年)が主な原因です。
Q:「すい臓ガン」はとても怖い癌と聞きましたが?
A:一般にすい臓ガンが怖いと思われている訳は、すい臓が体の奥深くにあるため早期の発見が難しく、かなり進行した状態で発見されることが多いからです。すい臓ガンといえども、早く見つけてしっかりと治療すれば治る可能性は十分にあります。お酒を多く飲まれる方(お酒の飲み過ぎによる慢性すい炎はすい臓ガンの危険因子です)や、血縁にすい臓ガンの方がいらっしゃる場合は積極的に検査を受けましょう。
当院の消化器内科では「すい臓病診療」には特に力を入れており、NHKの「ためしてガッテン」や「あさイチ」で放送されたすい炎の特集番組の制作にも協力した実績があります。また、すい臓病だけに特化した「すい臓ガン検診」も行っており、できるだけ早い段階でガンを発見することに全力を注いでいます。すい臓が心配な方は是非当院にお越し下さい。