リハビリテーション科 佐藤圭汰 理学療法士らの研究論文が英文誌に掲載されました。
当センターリハビリテーション科 佐藤圭汰理学療法士(整形外科・脊椎外科学講座員兼務)、白土 修医師(同講座 教授/講座主任)らの行った研究論文「Association between acute pain trajectory and patient-reported outcomes at 6-months following lumbar surgery for patients with lumbar degenerative disease」が、整形外科・脊椎外科学領域のトップジャーナルの1つである欧州英文誌「European Spine Journal(IF=2.8)」に掲載されました。
この研究は、腰部脊柱管狭窄症や腰椎変性すべり症など腰椎変性疾患を有する患者さんの術後QOLと術後急性期の手術部位の疼痛強度の関連性を調査したものです。
急性期の疼痛評価は術後成績に影響を与え、患者さんの生活を制限する重要な要因の一つですが、特定の時間や日にちでの疼痛強度の評価は信頼性が低いことも明らかとなっています。そこで本研究の疼痛評価は、術後1週間の疼痛強度の経時的変化を捉える新たな評価方法「Pain trajectory」を用いて行いました。その結果、術後1週間で疼痛強度が不変な患者さんや、疼痛強度が増強する患者さんは術後QOLに悪影響を与えることがわかりました。この研究結果は、腰部変性疾患を有する患者さんの術後急性期の疼痛管理、鎮痛を行うことが重要である可能性を示唆するものと考えられます。
当センターリハビリテーション科と整形外科・脊椎外科学講座は、脊椎・脊髄疾患に対する評価・治療を、より科学的根拠に基づいて実践できるよう引き続き有用な研究を発信していきます。
【研究論文はこちら】
https://link.springer.com/article/10.1007/s00586-024-08534-w