リハビリ科(整形外科・脊椎外科学講座員兼務)の遠藤達矢理学療法士の論文が英文誌に掲載されました
リハビリテーション科に所属する遠藤達矢理学療法士(整形外科・脊椎外科学講座 兼務)、白土 修医師(同講座 教授/講座主任)、伊藤俊一特任教授らの行った研究論文「Maximum Gait Speed and Lumbar Spinal Mobility Can Affect Quality of Life in Elderly Women with Lumbar Kyphosis」が、整形外科・脊椎外科学領域で最も権威ある学術団体の一つである北米脊椎外科学会の機関誌「The North American Spine Society Journal(NASSJ)」に掲載されました。
この研究は、腰椎に後弯を呈する成人脊柱変形(Adult spinal deformity, ASD)の身体機能の低下が、患者さんのQOL(Quality of life; 生活の質)にどのように影響を与えるかを調査したものです。成人脊柱変形とは、中高年者に見られる脊柱(背骨)の変形(側弯症、後弯症、「腰曲がり」)を指します。近年、患者数が非常に増え、腰背部痛、立位・歩行障害のみならず、逆流性食道炎など内科的疾患も引き起こすことが知られています。遠藤理学療法士らは、身体機能と腰痛特異的QOLの関係を調べ、特に、最大歩行速度と腰椎の可動域が影響を与えているという新しい知見を得ました。この事実は、運動療法の重要なポイントを示唆するものです。当講座では、成人脊柱変形に対する手術、リハビリテーションを精力的に行っており、今回の研究結果を有効に活用してまいります。
【論文掲載先】https://doi.org/10.1016/j.xnsj.2022.100100