研究
早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術における胃蠕動運動の鍼治療による鎮痙効果について
漢方医学講座の鈴木雅雄准教授と消化器内学講座の澁川悟朗教授らの研究チームが実施した研究がJournal of Clinical Medicineに掲載されました。
早期胃がんの治療の第一選択である内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の際に、胃の蠕動運動が認められる場合は蠕動運動を止めてESDを実施することがあります。通常は薬剤を使用して蠕動を止めますが、副作用の観点から使用が出来ないケースもあります。そこで、副作用が極めて少ない鍼治療を応用して、胃の蠕動を止めてESDを実施することを世界で初めて行いました。結果は薬剤と比べて鍼治療の方が蠕動の収まりがよくなり、切除術がやり易くなりました。また、副作用も鍼治療の方が少ないという結果でした。今後は蠕動を止める薬剤が使用できない患者さんへの応用が期待されています。
論文掲載URL
https://www.mdpi.com/2077-0383/10/14/3050