菊地臣一 コラム「学長からの手紙  〜医師としてのマナー〜

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66.QUICK RESPONCE

何か依頼された場合に直ぐに対応する事が相手の心証を良くします。立場を考えて見ましょう。もし自分が相手に依頼や問い合わせをした場合に、直ぐに反応してくれないとそのイライラは募るばかりです。

具体例を上げてみましょう。私が講演による出張の際に車の手配を相手方に依頼しました。ところが、判かりましたとの返事もないし、その車の手配が出来るのか出来ないのか、出来ないとしたらどうするのか、その返事もありません。その担当者がその決定権がない事もあります。その場合には私の秘書に、私は決定出来ない、或いは、なんらかの事情で直ぐに御答え出来ないから、「何月何日までに御答えする」と言う話をすべきなのです。そうしなければ、依頼した方もどうしたらいいか動けないし、次の手が打てない訳です。

もう一つ具体例を挙げます。私が、秘書にある先生の夏休みの予定を聞きました。直ぐに答えられませんでした。でも、これは秘書の責任です。なぜなら医局単位で夏休みを取っている訳ですから、頭に入れておく必要はありませんが、少なくとも自分の机の前に医局の夏休み体制の予定表を置いて置くべきです。手術予定表もしかりです。現在医局員の誰がどこにいるかは、自分の机の上に分かるようにして置くべきです。そうすれば、私が尋ねても直ぐに答えられる筈です。

以上述べた様に、素早い対応が組織を円滑に動かすコツですし、その人間の評価を高めます。御互いに問い合わせや何等かの働き掛けがあった場合には、その時点で出来ることは全て対応し、出来ない事は期限を切ってどういう風に対応するかを相手に知らせるべきです。そうすれば相手もイライラして待っている必要もなく、別な仕事に取り掛かれる訳です。こうする事が御互いのコミュニケーションを良くするコツで、延ては自分自身の評価を高めることにもなります。心しましょう。

 

 

 

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