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私たちからのメッセージ 「災害医療の現場でがんばっています!」

高瀬 信弥 Takase Shinya  心臓血管外科学講座 講師
          


「東日本大震災の『第二の被災者』を出させない!『エコノミークラス症候群』から避難民を守る 」 相馬市の避難所の一つ「スポーツアリーナそうま」にて

未曾有の東日本大震災。被災を受けた方々、お亡くなりになった方々およびそのご家族に心からお悔やみ申し上げます。 福島県立医科大学は、地震、津波の大災害に加えて、原発事故による放射能問題に全学で取り組んでいます。その中でも、緊急時の医療だけでなく、より高度な医療を被災地および避難している人たちに提供すべく、高度医療緊急支援チームを立ち上げました。

特に日本の震災においては、その後に下肢静脈血栓症とそれに伴う肺塞栓症の発生が増加して、致命的になってしまう。いわゆる『エコノミークラス症候群』の発生が増加します。われわれは高度医療緊急支援チームのなかの『エコノミークラス症候群』医療チームとして移動式エコー4台を投入し、避難所を中心に多くの被災者の皆さんをスクリーニングし、肺塞栓の元となる下肢静脈血栓症を早期に発見・治療すること。『第二の被災者』を発生させないことを目標に活動しています。

現在のところ、1000名を超す方々をスクリーニングしました。なんと10%程度の方々に下肢静脈血栓症を確認しましました。この発生率はこれまでの震災における発生率から3〜5%高い数値になっています。今回のスクリーニングでも、肺塞栓につながるような大きな血栓を発見でき、早期に治療を開始することができたことは、本当に良かったと思っています。
避難所生活は、これからもまだまだ続きます。また、遠隔地から地元に戻って避難所生活に入る方も増加するでしょう。これからも継続して『エコノミークラス症候群』の予防指導、早期発見に取り組み、東日本大震災の『第二の被災者』を出さないようにしたいと思っています。
相馬市原釜地区 津波によって破壊された街
『エコノミークラス症候群』を予防する三つの重要なこと
1) 車の中に泊まらない。長い時間同じ姿勢をしていると血栓ができやすい。4時間程度で血栓はできてしまう。
2) 歩く。頻繁に足首の運動をすること。
3) 水分を摂る。トイレに行くことは大変ですが、だからといって水分を摂らないのは最もいけません。特に女性は注意が必要。

(福島県立医科大学 高度医療緊急支援
 『エコノミークラス症候群』医療チーム チームリーダー)

 

 

 

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