

地域のみなさまへ
保健医療交流事業 (講演会) レポート
●目指そう健康寿命 〜心臓病と脳卒中の予防について〜
浅川町・令和6年7月30日(火)


講演会は令和6年7月30日13時30分より浅川町保健センターを会場に開催された。講師は循環器内科学講座 中里和彦教授が務められた。講演は「目指そう健康寿命 〜心臓病と脳卒中の予防について〜」をテーマに行われた。
【講演内容】
〇心臓病と脳卒中
・心臓病について、病院で働いていると心臓病とはあまり言わない、これは大きく循環器病と言っており、 その中でも虚血性心疾患、具体的には狭心症と心筋梗塞のことを指している。
・一方脳卒中とは、正式な病名ではなく、突然倒れることを卒中というが、それが脳が原因で起こることを脳卒中と呼んでいる。具体的には大きく血が出るタイプと詰まるタイプがあり、前者が脳出血やくも膜下出血、後者が脳梗塞となる。
・年齢調整死亡率の推移でみると、脳卒中を中心とした脳血管疾患というのは減っている。一方心疾患も全体として減っているが、心不全は増えている。心不全自体はいろいろな原因の総称で心不全はなんでも治るという薬はないのでその前の段階で抑えておく必要がある。
〇福島県における急性心筋梗塞の状況
・福島県の急性心筋梗塞による死亡率は平成19年度は男女とも全国ワースト5位だったがその後平成22年度では全国ワースト1位になりその後平成27年まで男女とも全国ワースト1位のままだった。
・そこで我々県立医大の循環器の医師が中心となり、平成21年度から県内の病院にも協力いただきながら様々な調査を始めた。その結果、死亡診断書の記載方法や急性心筋梗塞との判定方法にも問題があることがわかり、それらを改善したところ、最新の調査(令和2年)では男性は全国ワースト7位、女性は全国ワースト9位まで改善した。
・ただしいきなり上位までにはいかないので、更に死亡率を減らすには発症から治療までをいかに早く行えるかということが大切。そのために救急車の中で心電図をとってそのデータを転送することで速やかな院内での処置を可能とするような方法も取られている。
〇動脈硬化性疾患の予防のために
・心筋梗塞の死亡を減らすためには、発症から治療まで出来るだけ早く行うことが大事だが、それ以前に発症しないように予防するというこが大切。
・2023年の福島民友の記事に「福島県のメタボ率全国4位、下位定着」との記事が出ていた。これまで話してきた虚血性心疾患に危険因子は主に高血圧、糖尿病、高血圧症、喫煙、加齢・男性の5つ。このうち加齢・男性というのはどうしようもないが、そのほかの4つは薬の力や、生活習慣の見直しで改善することが出来る。
・喫煙者の心筋梗塞の発症リスクは非喫煙者に比べて男性で3.64倍、女性で2.90倍になるが、禁煙して15年ぐらいたつとリスクは非喫煙と同じくらい位になるのでやめるに遅すぎるということはない。またLDLコレステロールについても最近のガイドラインでは2次予防において70未満に抑えましょうとなっており、自分の努力だけでは難しいので薬の力で抑えようとなっている。
・マスコミなどで薬をたくさん出す医者は信用するなとの報道があり、患者さんの中には処方した薬を飲まずにLDLコレステロール値が急激にあがってしまったような人もいたが、大事なのは自分の病状と副作用をしっかり判断して必要なら薬の力で値を下げるということも必要。
・予防のために大事なのは、1度なった人は再発する可能性が高いのでより注意が必要という認識を持つこと、リスク要因をたくさん持っていれば相乗的に発症のリスクが高まるので、1つでもリスク要因を下げるということ、生活習慣の改善などを行い、薬も必要なら飲むということなど。
〇心臓病と脳卒中
・心臓病について、病院で働いていると心臓病とはあまり言わない、これは大きく循環器病と言っており、 その中でも虚血性心疾患、具体的には狭心症と心筋梗塞のことを指している。
・一方脳卒中とは、正式な病名ではなく、突然倒れることを卒中というが、それが脳が原因で起こることを脳卒中と呼んでいる。具体的には大きく血が出るタイプと詰まるタイプがあり、前者が脳出血やくも膜下出血、後者が脳梗塞となる。
・年齢調整死亡率の推移でみると、脳卒中を中心とした脳血管疾患というのは減っている。一方心疾患も全体として減っているが、心不全は増えている。心不全自体はいろいろな原因の総称で心不全はなんでも治るという薬はないのでその前の段階で抑えておく必要がある。
〇福島県における急性心筋梗塞の状況
・福島県の急性心筋梗塞による死亡率は平成19年度は男女とも全国ワースト5位だったがその後平成22年度では全国ワースト1位になりその後平成27年まで男女とも全国ワースト1位のままだった。
・そこで我々県立医大の循環器の医師が中心となり、平成21年度から県内の病院にも協力いただきながら様々な調査を始めた。その結果、死亡診断書の記載方法や急性心筋梗塞との判定方法にも問題があることがわかり、それらを改善したところ、最新の調査(令和2年)では男性は全国ワースト7位、女性は全国ワースト9位まで改善した。
・ただしいきなり上位までにはいかないので、更に死亡率を減らすには発症から治療までをいかに早く行えるかということが大切。そのために救急車の中で心電図をとってそのデータを転送することで速やかな院内での処置を可能とするような方法も取られている。
〇動脈硬化性疾患の予防のために
・心筋梗塞の死亡を減らすためには、発症から治療まで出来るだけ早く行うことが大事だが、それ以前に発症しないように予防するというこが大切。
・2023年の福島民友の記事に「福島県のメタボ率全国4位、下位定着」との記事が出ていた。これまで話してきた虚血性心疾患に危険因子は主に高血圧、糖尿病、高血圧症、喫煙、加齢・男性の5つ。このうち加齢・男性というのはどうしようもないが、そのほかの4つは薬の力や、生活習慣の見直しで改善することが出来る。
・喫煙者の心筋梗塞の発症リスクは非喫煙者に比べて男性で3.64倍、女性で2.90倍になるが、禁煙して15年ぐらいたつとリスクは非喫煙と同じくらい位になるのでやめるに遅すぎるということはない。またLDLコレステロールについても最近のガイドラインでは2次予防において70未満に抑えましょうとなっており、自分の努力だけでは難しいので薬の力で抑えようとなっている。
・マスコミなどで薬をたくさん出す医者は信用するなとの報道があり、患者さんの中には処方した薬を飲まずにLDLコレステロール値が急激にあがってしまったような人もいたが、大事なのは自分の病状と副作用をしっかり判断して必要なら薬の力で値を下げるということも必要。
・予防のために大事なのは、1度なった人は再発する可能性が高いのでより注意が必要という認識を持つこと、リスク要因をたくさん持っていれば相乗的に発症のリスクが高まるので、1つでもリスク要因を下げるということ、生活習慣の改善などを行い、薬も必要なら飲むということなど。
お問い合わせ: 医療研究推進課 研究推進係
電話 024-547-1794 / FAX 024-581-5163
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