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保健医療交流事業 (講演会) レポート

目指そう健康寿命! 〜心筋梗塞と生活習慣〜

桑折町・令和6年7月1日(月)

講演の様子1
講演の様子2

講演会は令和6年7月1日13時30分より桑折町保健福祉センターやすらぎ園を会場に開催された。講師は循環器内科学講座 八巻尚洋准教授が務められた。講演は「目指そう健康寿命!〜心筋梗塞と生活習慣〜」をテーマに行われた。

【講演内容】
〇心臓の構造と働きについて
・心臓というのは、胸の真ん中にある握りこぶしぐらいの大きさの臓器で、全身に血液を送り出すポンプの働きをしている。
・1日約10万回、休むことなく動いていて、1分間約5リットルの血液を全身に送り出している。
・そのように動き続ける心臓自身に栄養を送る血管が重要でその血管を冠動脈と言う。

〇急性心筋梗塞とはどのような病気か
・先ほど説明した冠動脈の血管に異常が起きると、生じる病気。具体的には動脈硬化が進んでいき、その動脈硬化の塊が血管の壁に付着し血管に狭窄が生じる。そしてある時突然動脈硬化が破裂する。
するとこの破裂した部分に血栓という塊ができて、これが完全に継続してしまう状態、これを急性心筋梗塞の状態と言う。こうなると当初きれいなピンク色をしていた心臓の筋肉に血液がいかなくなることで紫色になり壊死してしまう。
・急性心筋梗塞の症状としては約3分の2は、胸が締め付けられるように痛くなる。それ以外の症状としては、背中が痛くなる、呼吸が苦しくなる、意識がなくなって倒れる、吐き気がするなどの症状がある。

〇急性心筋梗塞の治療法
・急性心筋梗塞と診断されたら、緊急心臓カテーテル検査を行い、詰まっているところを見つけてそこに血管を通すという治療、これを再灌流療法という、を行う。大事なことはこの再灌流療法をいかに早く行うかということ。

〇最小限のダメージで抑えるには
・なるべく早く詰まった血管を通すということが大事で、1分1秒を争う。
・そこで急性心筋梗塞にかかったら、直ちに救急車をよんで可能な限り再灌流療法までの時間を短くすることが大事だが、そのための手段の一つとして、12誘導心電図伝送というものがある。
・これはこれまで病院で来てとっていた12誘導心電図を救急車やドクターヘリなどの現場でとり、そのデータを病院に送ってもらうというもの。こうすることで、病院到着までの間に診断やスタッフの招集が可能で、すぐ治療を行うことが出来る。この結果20分から30分程度治療までの時間を短縮することが期待できる。
・再灌流までの時間が10分短縮するごとに院内の死亡率が8%減少させることができ。6ヶ月後の死亡リスクが6%減少するというデータもある。
・心筋梗塞っていうのは命に関わる病気で入院後に無くなる方が約10%いるが、病院に到着する前に亡くなる方が約30%いる。この病院たどり着く前に、亡くなることを何とか減らせないかなということで有効なのは、心臓マッサージやAEDによる心肺蘇生法。
・急性心筋梗塞で病院に来た患者さんのうち、どのぐらいの人が救急車で来ているかというのを見たデータ(2009年から2018年まで)だが大体70%から80%弱。本来であれば、急性心筋梗塞の方は100%救急車で来て、なるべく早く詰まった血管を通さないといけない。
・今日ここで勉強していただいた皆様には、急性心筋梗塞を疑う症状あったときには、躊躇することなくすぐに救急車両を呼ぶということを周りの方にも伝えてほしい。

〇急性心筋梗塞の予防法
・動脈硬化が進む原因としては高血圧、脂質異常症、糖尿病院、喫煙、肥満、家族歴などがあるが、 まず大事なのは健康診断を受けてこうした状況を早く知ること。そしてそれぞれの危険因子に対し、必要な対策、高血圧であれば減塩食、脂質異常症であれば低脂肪食など、をしっかりとることが大事。
・日頃から生活習慣病をコントルールして予防する、急性心筋梗塞の前兆を感じたら医療機関を受診する、急性心筋梗塞だと思ったらすぐに救急車を呼ぶということを気を付けてほしい。

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