研究成果が掲載されました
理学療法学科の森下慎一郎教授(共著者)らの論文が「International Journal of Nursing Studies Advances」に掲載されました。本研究は看護学部との共同研究になります。
【論文タイトル】
Effects of exercise therapy in patients with pancreatic cancer: A systematic review and meta-analysis(膵がん患者における運動療法の効果:系統的レビューとメタ分析)
【論文概要】
本研究は、ランダム化比較試験のメタアナリシスを通じて、膵がん患者に対する運動介入の効果を明らかにすることを目的とした。2024年5月までに発表された論文を、PubMed/MEDLINE、Scopus、CINAHL、PEDroデータベースで検索しました。最終的な分析には6つの研究が含まれ、サンプルサイズは40から172患者でした。介入の種類は、3つの研究でレジスタンストレーニング、3つの研究で有酸素運動とレジスタンストレーニングの組み合わせでした。介入のタイミングは、4つの研究で手術後または化学療法後、2つの研究で化学療法中または化学放射線療法中でした。運動介入は、身体的生活の質を改善する効果がありました(標準化平均差 = 0.41、95 % 信頼区間 = 0.07-0.74、p = 0.02)。さらに、上肢筋力(標準化平均差 = 0.50、95 %信頼区間 = 0.21-0.80、p = 0.0008)および下肢筋力(標準化平均差 = 0.35、95 %信頼区間 = 0.14-0.56、 p = 0.0009)。一方、6分間歩行テストでは、運動療法群と対照群の間で運動療法の効果に有意な差は認められませんでした。本研究の結果は、膵がん患者に対する運動療法が上肢と下肢の筋力を効果的に増加させ、身体的生活の質を改善することを示しています。
リンク名:https://doi.org/10.1016/j.ijnsa.2025.100398