研究成果が掲載されました
臨床検査学科の義久精臣教授(責任著者)らの研究論文が「Journal of the American Heart Association」に掲載されました。
【論文タイトル】
Nighttime Systolic Blood Pressure Determined by Pulse Transit Time Predicts Cardiac Events in Patients With Heart Failure
心不全患者において脈波伝播時間により計測された夜間収縮期血圧は心イベントを予測する
【論文概要】
心不全患者において日中の血圧と予後との関連が報告されていますが、測定の難しい夜間就寝中の血圧と予後との関連は明らかではありませんでした。本研究では心不全患者366名(年齢中央値72.0歳、男性53.3%)を対象に、睡眠ポリグラフ検査を用いて測定した脈波伝播時間にもとづいて夜間就寝中の血圧を連続測定しました。夜間就寝中の収縮期血圧の平均値をもとに血圧高値群、血圧中間群、血圧低値群の三分位に分類しました。各群における収縮期血圧の中央値はそれぞれ136 mmHg、117 mmHg、100 mmHgでした。観察期間中(中央値1,084日)に71件のイベント(心不全入院または心臓死の複合エンドポイント)が発生しました。カプランマイヤー解析では、血圧低値群で最も高いイベント発生率が認められ、多変量コックス比例ハザード解析においても、血圧低値群は血圧高値群と比較し、イベントの発生リスクが有意に高いことが示されました(調整ハザード比2.100)。以上から心不全患者における夜間就寝中の収縮期血圧が心イベントの発生と関連していることが示唆されました。
本研究は、本学循環器内科学講座の教員方との共同で実施しました。
福島県立医科大学研究成果HP: https://www.fmu.ac.jp/research/results/seika/2025/20250519-2_2.html
PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40689507/
論文URL: https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.124.039917
PMID: 40689507
DOI: 10.1161/JAHA.124.039917