小児外科
診療科部長
田中 秀明(教授)
氏名 | 職名 | 専門分野 |
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田中 秀明 | 教授 | 小児外科一般、 小児肝移植、小児腎移植 |
清水 裕史 | 講師 | 新生児外科、小児腫瘍外科 |
尾形 誠弥 | 助手 | 小児外科一般 |
三森 浩太郎 | 病院助手 | 小児肝移植 |
町野 翔 | 病院助手 | 小児外科一般 |
滝口 和暁 | 病院助手 | 小児外科一般 |
山下 方俊 | 臨床教授 | 小児外科一般 |
◆小児外科は16歳未満の小児に対する一般外科の診療を行う科です。対象とする疾患には体表や内臓の先天的な形成異常が多く、その病気の特殊性やお子さんの全身状態、未熟な臓器機能を考えた治療戦略を練る必要がある点でも、成人の外科とは大きく異なります。私たちは手術によってお子さんのその後の数十年にわたる社会生活でのQOLをいかに満足できるものにできるかを考えながら、日々診療を行なっています。
◆私たちは手術を行う場合、傷は小さく目立たないように、また侵襲を少しでも低減するような術式を行う方針としています。例えばおへその縁に沿った傷からでも多くの開腹手術が可能であり、この整容性に優れたアプローチを新生児に対しても積極的に行っています。
◆腹腔鏡や胸腔鏡下の手術も積極的に行っています。難易度の高い手術においては必要に応じて小開腹下の操作を追加するなど、安全性、確実性を優先したhybrid手術を行う方針としています。重要臓器や血管を巻き込むような腫瘍性病変に対しては、私たちは開腹もしくは鏡視補助下に加え顕微鏡下手技を加えたより綿密なアプローチで手術を行います。
◆新病棟であるみらい棟には総合周産期母子医療センターとこども医療センターがあり、福島県の周産期および小児医療の中心的役割を担っています。私たちは各部署と定期的なカンファランスを行い、胎児を含めた小児全般の外科疾患について学内はもちろん県内外からの紹介に対して、迅速に対応いたします。病態によっては母体搬送、管理分娩など万全の体制で、出生後すぐの外科治療も行うことができます。
◆みらい棟には県内初の小児特定集中治療室(PICU)があり、高度な集中治療を要する小児への診療体制が整っています。リスクの高いお子さんに対する外科的治療とその周術期管理についても安心してお任せください。
◆田中は国内外で脳死および生体ドナーからの肝移植、腎移植に携わってまいりました。当院は本年から脳死肝移植実施施設としても認定され、脳死分割肝移植も実施できるようになりました。関連する診療科と協力しつつ、それら臓器不全に対する小児の移植医療も進めていきます。
◆後述の本院での外来診療以外にも、当科スタッフが大原綜合病院(福島市)、竹田綜合病院(会津若松市)、福島県立医科大学会津医療センター(会津若松市)、国立病院機構福島病院(須賀川市)、公立岩瀬病院(須賀川市)にて小児外科外来を開設しています。私たちは決して難しい病気や珍しい病気だけを診療しているわけではありません。おへそ、下腹部やおしりのことなど、どのような小さなことでも心配なことがありましたら、ぜひ当院もしくは上記病院の外来へ相談にいらしてください。
病名・病態 | 必要な診療 | 当科の対応方法 |
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呼吸器疾患 肺嚢胞 |
呼吸、栄養管理 呼吸循環管理 |
肺切除術 |
消化管疾患 急性腹症 (虫垂炎、腸重積) 胃食道逆流 肥厚性幽門狭窄 ヒルシュスプルング病 痔瘻、肛門周囲膿瘍 |
超音波検査、CT検査 24時間pHモニター、消化管造影 超音波検査 注腸検査、内圧検査、粘膜生検 |
迅速な診断と緊急手術 腹腔鏡下噴門形成術 臍上部弧状切開術 経肛門的一期的根治術(腹腔鏡補助下) 内服、外用による保存的治療 |
固形悪性腫瘍 |
画像検査、腫瘍の生検にて診断と病期分類を行い、それに応じた集学的治療を行う。小児腫瘍内科が中心となり定期的なTumor Boardにて治療方針の決定がなされる。 | 腫瘍生検、中心静脈カテーテル留置、適切なタイミングでの腫瘍摘出術を行う。肝芽腫に対しその進行度によっては肝移植を行う。 |
肝胆道系疾患 胆道閉鎖症 先天性胆道拡張症 |
他の乳児肝疾患との鑑別 膵胆管合流異常の診断 |
肝門部空腸吻合術、肝移植 胆道再建術 |
新生児疾患 横隔膜ヘルニア 食道閉鎖症 小腸閉鎖症 直腸肛門奇形(鎖肛) 腹壁破裂 臍帯ヘルニア |
NO吸入、体外膜型人工心肺 新生児呼吸循環管理、病態に応じた検査(尿道、消化管造影、超音波検査など) |
待期手術 緊急手術、準緊急手術 病態に応じて一時的根治術、人工肛門造設後の根治術など多段階手術 |
肝移植を要する病態 胆汁うっ滞性肝硬変 劇症肝不全 肝悪性腫瘍 代謝性疾患など |
各病態に応じた内科的、外科的治療、移植適応の評価 |
関連各科の協力のもと生体または脳死分割肝移植 |
腎移植を要する病態 先天性低形成・異形成 腎などによる末期腎不 全 |
内科的治療、透析や移植適応の評価 |
腹膜透析カテーテル挿入、関連各科の協力のもと生体または献腎、脳死腎移植 |
その他 鼡径ヘルニア 停留精巣 臍ヘルニア 漏斗胸 |
重症度、手術適応の診断 |
修復術、対側検索 一期的精巣固定術 綿球圧迫による保存的治療 Nuss手術、胸骨挙上術 |
(外来) 電話024-547-1227
(医局) 電話024-547-1255(内線2332) FAX 024-547-1981
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