放射線治療科
診療科部長
鈴木 義行(教授)
氏名 | 職名 | 専門分野 |
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鈴木 義行 | 部長(教授) | 放射線治療、粒子線治療 |
田巻 倫明 | 教授 | 放射線治療、高精度放射線治療、小線源治療 |
佐藤 久志 | 准教授 | 放射線治療、高精度放射線治療 |
吉本 由哉 | 准教授 | 放射線治療、小線源治療 |
伊藤 佑輔 | 助手 | 放射線治療 |
斉藤 秀一 | 助手 | 放射線治療 |
放射線治療は、増加著しいがん患者さんに対する“4大がん治療の1つ”として重要な役割を果たしております。本院では平成29年に2台の新たな放射線治療機器が稼働し、脳腫瘍や肺がんに対する定位照射(SRT/SRS)、前立腺がんや頭頸部がんに対する強度変調放射線療法(IMRT)が適応となる患者様の全てに施行できるような体制になりました。
また、骨軟部腫瘍や小児腫瘍などの粒子線治療が保険適応となる患者さんについては、粒子線治療施設と連携して診療しております。また、本診療科では、放射線治療とがん免疫の研究に力を入れており、放射線治療と免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の臨床試験やトランスレーショナル研究などを行っております。
本診療科は、乳がん・前立腺がん・肺がん・婦人科がん・脳腫瘍・皮膚がん・白血病など、様々な悪性腫瘍(がん)、およびケロイド・甲状腺眼症などの良性腫瘍・疾患の一部に対して、放射線治療を中心に専門的な診療を行っています。紹介元の主治医と連携を取りながら、また、必要に応じて他の粒子線治療施設などと連携し診療を行っております。
高精度放射線治療:
高精度放射線治療は、その名の通り高精度に放射線を照射することが可能で、誤差精度2o以内(体幹部では5o以内)の正確な放射線照射を実現した治療法です。結果として、がん病巣へ正確に放射線治療を行いながら、かつ、がんの周りにある正常組織にはあまり放射線を当てないように工夫できるようになりました。近年、急速に広まっており、本診療科では半数以上(保険適応となる患者さんのほぼ全員)に本治療を行っております。
その一つである強度変調放射線治療(IMRT)は、コンピュータの助けを借りてがん病巣に放射線を集中して照射する照射技術で、限局性の固形悪性腫瘍が保険適応となっています。本診療科では、平成25年から前立腺がんに対するIMRTを開始し、現在では前立腺がん・脳腫瘍・頭頸部がん、婦人科腫瘍など、年間約400名の患者さんに行っております。
もう一つの定位照射(SRTまたはSRS)は、頭蓋内・頭頸部では2o以内、体幹部では5o以内の位置精度で照射する、いわゆる“ピンポイント照射”と言われる照射法です。(原発性及び転移性の)脳腫瘍・肺がん・頭頚部腫瘍、5個以内の転移性骨腫瘍などが保険適応となっています。本診療科では、平成11年から、転移性脳腫瘍に対して治療を開始し、現在では、年間約150名の患者さんに行っております。。
小線源治療:
本診療科では、子宮頸がん・膣がんに対し、イリジウム192を用いた高線量率小線源治療(腔内照射)を行っております。治療時には、超音波(エコー)やCTを用いた画像誘導小線源治療(3D−IGBT)を行い、腫瘍には十分な放射線量を投与し、かつ、正常な組織になるべく照射されないように工夫して治療しております。
粒子線治療相談外来:
粒子線治療とは、通常用いられるX線やガンマ線ではなく、陽子や重粒子(ヘリウムより重い元素すべて)などの“粒子”を用いた放射線治療です。平成28年4月より、重粒子線治療が(切除非適応の)骨軟部腫瘍に、陽子線治療が小児腫瘍に保険適応となりました。現在では前立腺癌等にも適応が拡大されております。令和3年からは山形大学でも重粒子線治療が開始されました。粒子線治療が適応となる患者さんについては、粒子線治療施設と連携して診療しております。
電話 024-547-1590